2007年2月28日水曜日

持ち家は「負債」であるか?



昔のメリケン渡来のお金儲けノウハウ本(『金持ち父さん貧乏父さん』)に「収益を生むものが資産であって、収益を生まない資産(持ち家など)はすべて“負債”である」との記述があり、目からウロコと感心した人が多かったようだが、これは普通の人の常識とは異なる。でもこの「トンデモ理論」に対しては「理論的な」反論がまだ出されていないような気がするので、一応書いておくことにする。

この「トンデモ理論」が書かれている本:
金持ち父さん貧乏父さん
金持ち父さん貧乏父さんロバート キヨサキ 白根 美保子

筑摩書房 2000-11-09
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star資産と負債の考え方

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「持ち家は負債である」とするくだりについての散人の見解:
  1. 持ち家は立派な資産である。収益を生まないと言うが、持ち主に対して「効用」を生み出す。「効用」は収益と同じことである。持ち家は収益を生み出すのだ。
  2. その証拠に国民経済計算(SNA)によると、すべての「持ち家」についての帰属家賃がGDPにカウントされている。帰属家賃とは、持ち家の使用者が、持ち家の所有者(すなわち自分)に対して払う家賃なのである。立派な経済行為であるからこそ、GDPにカウントされるのである。
  3. でも持ち家に限らず不動産資産の所有・維持には相当のお金がかかる。不動産資産は「金食い虫」であるように見えることもある。この点はどういう風に整理すればいいのか。
  4. 簡単である。不動産の取得コストを正確に把握していないからである。不動産取得に当たっては維持費用も考慮しなければならないだけの話。例えば販売価格5000万円のマンションを買うとする。管理費、駐車場などの経費が年間60万円かかるとしよう。年間で60万円(税引き)の収益を生む債券が5000万円で買えるとすると、このマンション資産への実際投資金額は1億円であるということだ。一方、管理費。駐車場などの経費がかからない物件については表面価格は少し高くても実際の投資金額はもっと安くなるケースがある。
  5. また交通費が非常に高くつく郊外物件への投資にあたっても、これを考慮する必要がある。
  6. 定年退職者のような、比較的資金的余裕のある世代が、現金で不動産納入を考えている場合、維持費用に見合う収益を上げる債券を同時に購入することをお勧めする。不動産の購入価格とこうして「総合計」で判断するべきものなのである。その分に見合う効用があると判断すれば買い。なければ買わない。
  7. 貸家、旅館などに払うお金には税金がかかるが、所有不動産から貴方が受け取る「効用(帰属家賃)」については消費税はかからない。これも判断する上での材料とするといい。

今日の株価を見るまでもなく、金融資産(株価など)は、値段の変動が激しい。不動産価格も値動きが激しいが、自分に対する効用(帰属家賃)部分は、自分の主観に依存するものである以上、非常に安定的である。ストレスが少ない生活を送るためにも、資産の三分の一は不動産で保有すること。これは昔からの経験則でもある。吹けば飛ぶような紙切れ資産に過大の思い入れを持つものではないのである。


2007年2月17日土曜日

なぞなぞ(禿差別系):世界で一番ハゲ頭の比率が高い国はどこでしょうか?


このたびこれが明らかになりました。アデランス社の10年以上にわたる現地調査の結果が発表されたのです。


これ:
育毛、増毛、抜け毛予防はアデランス|企業情報|インフォメーション: "「世界の成人男性薄毛率」調査結果"

調査方法は、四人一組が主要都市で通行人の頭頂部を見下ろせる場所に立ち、二人が成人男性の人数を、二人がその中の薄毛の人を数えるとのこと。一個所で30分ずつ合計二時間で比率を出す。調査に一貫性を持たせるために現地調査担当チーフは10年間変わっていないとのこと。髪の毛に対するアデランス社の執念たるや、すごい。

各国比較表を転載しておきます:











一番の禿頭が多い国はチェコ。一番少ないのは中国(上海)とのこと。同じコーカソイド人種でも国によって大きく違うし、同じアジア人種でも国で違う。食生活とかストレスが影響するらしい。

2007年2月13日火曜日

「魚や肉の生食は危険、調理の基本を守れ」(関西医科大学教授、西山利正氏)



いろんな寄生虫が怖いことは知っていたが、今日の日経で西山教授は極めて具体的に症状を説明されている。これを読むと、スモークサーモンなんか食えなくなるよ。

抜粋:
  1. スモークサーモンやマスの押し寿司・にぎり寿司からうつる『広節裂頭条虫症』を時折目にします。サクラマスに多い長さ5ミリ程度の幼虫が筋肉に寄生する。スモークサーモンは摂氏約60度の煙でいぶす温燻製法が多く、熱が十分通らない。幼虫が人体にはいると三ヶ月で5〜6メートルに成長します。ある日成虫がお尻から垂れ下がってきて仰天して駆け込んでくる。私の所だけで年に二、三例あります。
  2. 予防法はスモークサーモンなら透かしてみて食べる。幼虫は白い塊として見えるので取り除けばいい。しっかりかみ砕けば幼虫は死んでタンパク源となる。
  3. ホタルイカの内臓には旋尾線虫、ドジョウなどの淡水魚には顎口虫という寄生虫がいます。人体に入ると腸壁を貫いて皮下組織を動き回る。浅いところを這うと爬行疹というジグザグの痕跡が残ります(写真あり、恐ろしく醜い)。
  4. 15年ほど前からホタルイカの躍り食いがブームになり、発症が多発。冷凍すれば幼虫は死ぬが、一部の産地からは未冷凍品が出回っており、生食は注意すべきです。ドジョウの躍り食いも禁物。
  5. 皮下にいる場合、皮膚を紡錘状に切開して幼虫ごと取り除きます。顎口虫は逃げ足が速くて麻酔を掛けている間に逃げてしまう。だから大きく切開する。目や脳に入り込むと重大な障害を起こすので要注意です。
  6. ユッケ(生の細切り牛肉)や生のステーキを食べてサナダムシがうつることがある。長さ5メートルになりパンツの中でうごめく。駆虫剤を飲めばすぐ治るので相談してください。
  7. サバやイカに寄生し、うつると胃壁や腸壁を突き破るアニサキス線虫もある。冷凍品ならリスクは低い。淡水魚の生食は避けるべき。
  8. ドジョウやホタルイカの躍り食いなど、本来そんな習慣はなかった。食生活の基本を守ることが肝要です。
  9. (記者注:生肉からは寄生虫のほかE型肝炎ウイルスがうつることがある。最近はイノシシやシカの肉を十分加熱せず食べて感染する例が増えている。寄生虫の場合、戦後の衛生環境の改善で診断できる医師が減り、体内の虫卵や寄生虫を検査できる医療機関は少なくなっている。)

「寄生虫は噛み砕け」にはワラッタ。生きてる虫を食べるなんて、絶対にいやだ。調理の基本は食品の加熱。料理の原点に戻れ。

それにしても、賞味期限切れにのリンゴを使ったアップルパイには大騒ぎをするのに、寄生虫入りの魚にはお目こぼし。消費者団体はどうなっているの?

2007年2月8日木曜日

「農家レストランが今ブーム」……農家は本業で頑張って欲しいな!



今晩の日経夕刊の「エコロ記者」の記事:
地元産の野菜で郷土料理などを出す「農家レストラン」の人気が広がっている。安全_安心な職を求める消費者の声に答えつつ、農山村の活性化にも寄与するこのレストラン、客をもてなし、料理の腕を振るう店主には、五十代の熟年世代が目立つ。
そうかな〜、結構なことだとは思うんだけれど、農家は本業で頑張って欲しいな。

お値段がとてもボルのである。出されるメニューは「ジャガイモをすり潰して作った団子にキノコのソテー、鶏のスープなど素材の味を生かした料理」とのことだが、
昼のみの営業で、完全予約制のコース制で、「ふるさと膳」が2100円、「やまのさち膳」が3150円、年間千人を超える来客があり、さらに無農薬栽培の農地を広げ「健康な食」の拠点にしていく考え。

とちょっと高い。でも、この種の「裏の畑でとれた野菜」を売りにする「農家レストラン」はとても繁昌しているようだ:
大きな規模のレストランだと年間5万人の集客で。売り上げは5000万円を超える。

とのこと。

料理人の技術は一種の「芸術」である。兼業農家でサラリーマンをしていた人が定年になってから農業の片手間にはじめて急に出来るものなのかな〜。それほど儲かるのかな〜。ホントの動機は別の所にあるのかも知れない。

農家は、今や農業生産よりも、不動産業者として農地の転売益で儲ける時代である;
2/6 Today 『金魂巻』の渡辺和博さん死去(2007): "農林水産省の統計によれば、日本の農家の農業生産額(金額ベース)よりも、農家の農地転用売却益の金額の方が大きくなっているという(全府県ベース)。"

趣味の「農家レストラン」でもやって、年金で生活して、保有農地を手放さずにさえしておれば、10年に一度ぐらいは農地転用売却のチャンスがめぐってくる。その時がぼっと儲ければいいという計算か。

ニッポンの農業の将来を考えると、農家は「本業で」頑張って欲しいと思う。もっとニッポン農業の生産性を高めることに注力して欲しい。その辺の現実を知らないで、無農薬野菜とやらに大枚を払ってボラれる都市のビンボー人は、アホだ。

2007年2月4日日曜日

なぞなぞ(地域差別系):全国都道府県別「厚顔無恥度」はどうなっているのでしょうか?


このたび掲題の調査結果を文部科学省が公開した。給食費の未払い状況の都道府県別データ。生活が苦しくて給食費を払えないというのなら分かるが、生活保護費や就学援助には給食費が上乗せされているという。それでも払わない親たちはやはり「厚顔無恥」なのだろう。


これが問題のデータ(PDF)↓ 一番下の表が都道府県別未払い比率:

kyuushokuhi_mibarai_chousakekka.pdf 

該当部分の画像:




上位にランクされているところは、さもありなんという常連さん達。

一方、感心したのは北陸から青森に掛けての地域。未納率が格段に低い。日本海側の人は真面目なのだ。

2007年2月2日金曜日

夕刊フジ:温泉の効能を過信するな、逆効果になる場合がある



へ〜:
夕刊フジBLOG:温泉の効能を過信して死にかけた!: "日本人は温泉好き。しかし好きが高じて温泉に対して過度の期待を持つ人も多い。体にいいはずの温泉も、時に誤った付き合い方をしてしまい、ひどい目に遭うこともある。都内に住む会社役員のMさん(58)は、療養目的で出かけた温泉で、逆に命を落としかねない事態に見舞われた。"
こういうことをもっとマスコミが啓蒙しないといけないな。

お医者さんによれば:
夕刊フジBLOG: "「温泉を過信してMさんのような事故を起こす例はとても多い」と話すのは日本温泉気候物理医学会認定温泉療法医で東京・世田谷区にある井上外科胃腸科病院院長の井上毅一医師。「いくら動脈硬化に効果のある成分が入っているとはいえ、入り方を間違えれば逆効果。まして狭心症ともなれば十分な注意が必要」と警鐘を鳴らす。"

新説なのだろうか。昔から言われてきたことなのだろうか。ちょっと調べてみるとかなり前から言われてきたことだとわかった。たとえば貝原益軒は10日に一回以上の入浴は控えるようにと書いている:
入浴 - Wikipedia: "漢方医の間では、入浴の習慣が広まることに危機感を覚えるものもいた。所謂後世派と呼ばれる医師たちは温泉療法以外による入浴は体内の気を乱して体に悪影響を与えると考えていた。貝原益軒の『養生訓』にも10日に1度ぬるま湯に沐浴すれば良く、それ以上の入浴は却って毒となると書かれている。"

「温泉はニッポンの文化」だとかいって最近の温泉ブームはちょっとバブル気味。全国の観光地には何が何でも温泉がなければならないとして、莫大なお金を投じて地下何千メートルの深さの温泉井戸が掘られる。温泉リゾートには露天風呂付きのマンションが大いに売れている。中にはリビングのど真ん中に風呂を設置したのもある。若いうちはいいだろうが、人間すぐ歳をとる。爺さん婆さんがリビングで一緒に風呂に入っていても様にならない。なんでも行きすぎの後には揺れ戻しが来る。全国津々浦々に乱立する温泉旅館街はスキー場と同じ運命をたどることになるのではないか。